リオデジャネイロオリンピックのバドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した橋礼華選手、松友美佐紀選手が19日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。
――バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した橋礼華選手、松友美佐紀選手の記者会見を行います。橋選手から、金メダル獲得をどのように受け止めていますか?
橋選手 昨日は本当に(第3ゲームの)19-19からあまり覚えていなくて、本当にどうやって勝ったんだろうという気持ちと、表彰台に上がってもなかなか実感が湧いてこなかったのですが、試合が終わって、携帯を見たときにたくさんの「おめでとう」というメッセージをもらったりとか、テレビに出させてもらったりして、「あ、本当に金メダルを取ったんだな」と実感してきて、本当に嬉しいです。
松友選手 まさか自分たちが、目標にはしていたのですが、オリンピックで一番高いところに最後まで勝ち続けることができるとは本当に思っていなかったので、昨日の夜は本当に諦めないで頑張ってきて良かったなと思いました。
――予選からずっと高校の田所(光男)先生が現地で応援していたと思いますが、プレー中に声が聞こえたかどうかというのと、先生にはなんと報告したいでしょうか?
橋選手 正直試合中は、声とか聞こえなくて、声を出していたのかも分からないのですが、でも同期の子から、「田所先生がハチマキとかして、応援していたよ」という写真をもらったりして、多分そんなことをする先生じゃなかったのに私たちのためにそういうことをしてくれるのはうれしいことですし、田所先生が自分たちを組ませていなかったら、今ここにもいなかったと思うので、本当に感謝の気持ちがあって、ありがとうございますと伝えたいです。
松友選手 田所先生が私たちを組ませていなければ、本当に私たちは今この場にいないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、オリンピックのレースが始まる前から、多分オリンピックのツアーの予約をしていたと思うので、先生は。本当にこのブラジルまで来てくださって、最後まで見届けてくれて本当に嬉しかったです。
――一夜経ちまして、いろいろなプレッシャーから解放されたと思いますが、今自分へのご褒美は何でしょうか? また一番食べたいものは何でしょうか?
橋選手 自分へのご褒美は、昨日もちょっとバタバタしていてあまり眠れていないので、しっかり休みたいなという気持ちです。帰ったら、私の大好きな「三代目 J Soul Brothers」のライブがあるので、それに行くつもりなので、それがご褒美かなと思っています。今食べたいものは、私はお寿司でマグロが大好きなので、マグロのお寿司が食べたいです。
松友選手 自分へのご褒美は、本当にこのオリンピックに向けて、ずっと休みなしで頑張って練習してきたので、少しだけ休みを自分にあげてもいいかなと思うのがご褒美で、食べたいものは、美味しいお肉が食べたいです。
――最後の逆転劇が印象的だったのですが、最後まで諦めない執念があの結果に結びついたと思いますが、練習などであのような緊張感を出すような練習方法などがあったら教えてください。
橋選手 あの場面で逆転できたのは、今まで本当にたくさん練習だったり、辛いことを乗り越えてきているので、ここでは終われないという気持ちが逆に出てきて、前の日にレスリングの伊調(馨)さんが逆転して勝っているのを見ていたので、私も逆転できるという気持ちになれたので、そういうのが逆転勝ちにつながったのかなと思います。
松友選手 あの場面の緊張感だったり、ゾクゾク感だったりというのは、本当に試合の本番でしか味わえない緊張感なので、それは練習ではできないことなのですが、でもあの場面で自分たちの最高のプレーができたというのは、この4年間、本当に自分たちがいろいろなことを経験してきたので、本当に2人で頑張ってきたことなので、たくさん頑張ってきて良かったなと思っています。
――世界のトップで迎えたことで重圧とかプレッシャーとかがあったと思いますが、それとどうやって向き合って、どうやって乗り越えたのか? 楽しいと思えるようになったきっかけは?
橋選手 去年、おととしに世界ランキングで初めて1位になって迎えた世界選手権で、自分たち自身にすごいプレッシャーをかけてしまって、絶対に金メダルを取らなきゃという気持ちだったり、負けたらやばいという気持ちだったりがあって、自分たちのプレーを出せずに終わってしまって。そこで自分たちは世界ランキングでは1位かもしれないけど、まだ世界選手権でメダルも取ったこともないので、そういう気持ちでは戦ってはダメだと思って。オリンピックでは自分たちのプレーを出すことだけを考えて試合に挑んだので、正直、オリンピックに入ってからはプレッシャーが全然なくて、どちらかというと、オリンピック出場が決まった2カ月前とかの方が、こういうふうに見られて、戦っていかなきゃいけないんだなという緊張がありました。
松友選手 ロンドンオリンピックが終わってから、私たちは少しずつ勝てるようになったのですけど、女子ダブルスの世界全体のレベルも、本当にどの国も上がってきていて、女子ダブルスは世界的に混戦な時期に私たちは戦うことができて、多分、ロンドンが終わってからリオで最後と決めている選手がたくさんいたと思うんです。その中でも、決勝で戦ったデンマークのペアだったり、私たちがずっと目標にしていた中国のペアだったり、インドネシアのペアだったり、韓国のペアだったりという選手たちと試合ができることが、本当に楽しくて、その選手たちがいてくれたから、今の自分たちがあると思うので、その人たちとの、あと何回できるか分からない、本当にオリンピックで最後と思っている選手もたくさんいたと思うので、その人たちに試合で少しでも自分たちの力をぶつけて恩返ししたいという気持ちがこのオリンピックではあったので、最後に優勝できてよかったです。
――徳島の関係者とか、地元の方々がすごく応援していたと思いますが、地元の方々へのメッセージをお願いします。また、ご家族の方とはお話されたのでしょうか? まだでしたらどんなことを伝えたいかを教えてください。
松友選手 家族は両親がずっと毎試合観客席から見てくれていたのですが、まだ優勝してからは会えていなくて、多分今日帰る前に少し会えると思っているので、本当にメダルを掛けてあげたいなと思っています。徳島県の方たちには、本当に夜遅くまで声をからして応援しているよという話を聞いていたので、本当に私がバドミントンを始めた徳島県という場所がなければ、今の私がいないと思うので、本当にみなさんに育ててもらって、感謝の気持ちでいっぱいです。
――あらためて金メダルを取って、お互いに一言あればお願いします。
橋選手 やっぱり組んで10年になるので、まさか本当に10年前はここまで来れるとは思っていなかったので、私が1学年上で先に卒業してしまって、その卒業後も組むとも思っていなかったので、本当にここまで自分自身も成長させてもらいましたし、ダブルスの面白さだったりを、本当に2人で辛いことだったりいいことだったりをこの10年間乗り越えてきたので、本当に感謝の気持ちです。
松友選手 初めて世界の大会に出始めた頃は、本当に1回戦負けばっかりで、昨日の決勝で戦った相手と初めてやったときも、この人たちにどうやって勝てるんだろうというぐらいボコボコに最初はされていて、そういう中でも2人で、ああいう人たちみたいになりたい、あの人たちに勝てるような選手になりたいと2人で諦めずにやってきて、今思うと、この出始めの頃を考えると、ここにいるということが夢みたいな話ですが、2人で諦めずに、本当に、先輩がいなければ、先輩と組んでいなければこの舞台にも立っていないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
――バドミントン界は春先から男子の方で暗いニュースがあり、そういうイメージがある中で、2人の活躍がいいニュースになったと思いますが、今後のジュニアなどバドミントン界全体につながるようなことがあれば教えてください。
橋選手 ジュニアの子たちに関しては、自分たちの昨日の試合のような逆転劇もあるんだということだったり、最後まであきらめない姿勢というのを少なからず見せられたんじゃないかなと思います。男子のことでいろいろありましたけれど、それでも私たちが結果を出すことで、バドミントン界にいいニュースが届けられてよかったかなと思います。
松友選手 どんなことがあっても、どんなときも私たちは世界で勝てるようになりたいという目標がぶれなかったのでここにいますし、多分これからももっとうまくなりたい、強くなりたいという思いを持ってこれからも2人でやっていくと思うので、これからバドミントンをやっていく子供たちにはそういう純粋にバドミントンが好きで、強くなりたいという思いを楽しんでやってほしいなと思いますし、バドミントン界でいろいろあったのですが、それでも一生懸命やってきたことには、こうやってご褒美が返ってくるんだなというのをみんなに見てもらえたと思いますし、少しでも自分たちがいいニュースを届けられたならよかったなと思います。
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