リオデジャネイロオリンピックの大会14日目。日本代表選手団の旗手を務めた陸上競技の右代啓祐選手が十種競技2日目の後半種目(110m障害、円盤投、棒高跳、やり投、1500m)に臨み、初日の前半種目(100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m)と合わせて7952点の20位でした。
■2日目に挽回「実力がついた」
2日間にわたって繰り広げられた戦い。7選手が途中棄権する過酷な激闘を終えた右代選手の表情には満足感が漂っていました。
「ちょっと苦しいかなと思った初日でしたけど、持ち味である後半種目で納得のいく最低限のパフォーマンスができました。そこは過去のロンドン大会とは違うところで、2日目にしっかりと切り替えることができたので、実力がついたんだなと思います」
こう話した通り、とりわけ右代選手が強調したのが、2日目の後半種目での挽回。6月に左手親指を骨折したことを忘れるくらい「体調は完ぺきに仕上げることができました」。それなのに前半種目で思うように得点を伸ばすことができなかったことで、以前までならその悪い流れを2日目にも引きずっていたかもしれません。しかし、2日目の最初の種目である110m障害で「吹っ切れるものがあった」と気持ちの切り替えに成功すると、以降は自身が納得のいくパフォーマンスを連発。特に、3投目でシーズンベストに迫る66.63mのビッグスローを見せたやり投は「嬉しかったですね」とガッツポーズも飛び出しました。
やり投だけではありません。この日は円盤投でも3投目にシーズンベストの49.90mをマーク。さらに棒高跳でも4m80cmを2回失敗した後の3回目で成功すると、その勢いで自己ベストの4m90cmも成功したのでした。
■「目標が手の届くところに近づきつつある」
目標としていた日本記録でもある自己記録(8308点)の更新はできず、そこは「非常に悔しい」。それでも、それ以上に得られた収穫が多く、10種目を戦い抜き実感したことは、まだまだ自分はレベルアップできるという手応えでした。
「まだまだこれからだな、と。本当にメダルを取りたいなと今大会を終えて思ったので、メダル獲得に向けて1年、1年大きくなって、東京オリンピック、さらにその先を見据えながら頑張っていきたい。今までやってきたことは間違いではなかったから、2日目に納得のいく試合ができたと思いますし、ようやく目標が手の届くところに近づきつつあると思いました。自分の中では実力、勝負強さがついてきていると思いますし、時間はかかるかもしれませんが、1年、1年、進歩していきたいです」
今大会は旗手として開会式に参加し、日本代表選手団の先頭を歩きました。
「ありがたい仕事を任せていただいて開会式に大勢の観客の前で参加させていただいたということが、自分の中でものすごく良い経験になっています。この先も色んな大舞台を経験すると思いますので、そういったところで生きてくるのではと思います」
旗手として、選手として大役と責任を果たした右代選手。リオ大会での経験を糧に、キング・オブ・アスリートを極める挑戦は東京へと続きます。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS