リオデジャネイロオリンピックの卓球女子団体で銅メダルを獲得した福原愛選手、石川佳純選手、伊藤美誠選手が17日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けたいまの心境を語りました。
――一夜明けてあらためて、銅メダルを取った今の気持ちを聞かせてください。
石川選手 銅メダルを獲得することができて、あらためてすごく嬉しいのと、ホッとした気持ちというのがあって、朝起きたときも「あぁ良かったな」って思っています。
福原選手 一夜明けて、どんどんどんどん実感が湧いてきたなと思っています。試合が終わってから昨日はずっと、「夢なんじゃないかな」というような思いがすごく強かったんですけど、だんだん実感が湧いてきました。
伊藤選手 初めてメダルを獲得して、メダルを取ることがまずは目標だったので、首にかけてもらってすごく嬉しいなと思います。
――昨日の試合でお気付きになられたか分かりませんが、アメリカ人とブラジル人と日本人との即席応援団ができて、ブラジルのリズムで「ジャパン!」という感じで応援されていましたが気付きましたか? もし気付いていたら、印象を教えてください。
石川選手 はい、もちろん気付いていましたし、ずっと聞こえていました。本当に初戦から日本のホームのような感じで、大声援を送っていただいて、私たちの力になりました。
福原選手 いま佳純ちゃんがお話したとおり、初戦から会場が一体となってブラジルの方もほかの国籍の方も日本のことを応援してくださって、とても温かな雰囲気の中でプレーさせていただくことができました。
伊藤選手 本当にブラジルのたくさんの方が日本選手をすごく応援してくださって、私たちもやっぱり応援してくれる方が増えると、すごく勝とうという思いが強くなって、本当に応援してくださってありがとうございます、と伝えたいです。
――ロンドンからのこの4年間どのように成長して2大会連続のメダルにつながったのか。また、このメダルを4年後の東京にどうつなぐか。卓球界全体をこうしていきたいとか、それぞれの目標や、今の思いを聞かせてください。
福原選手 私はロンドンオリンピックからこのリオオリンピックまで、ケガがものすごく多くて、周りにも迷惑をたくさんおかけした4年間だったんですけれど、ケガを経験したことで精神的にとても強くなったと思いますし、あらためて卓球ができる嬉しさとか喜びを、さらに感じることが多かった4年間でした。4年後の東京につきましては、今は本当に終わったばかりなので、まずはゆっくり休んでこの喜びに浸りたいと思います。
石川選手 ロンドンから精神的に、技術的に、どれか一つとは挙げられないんですけれど、全体的にレベルアップできたんじゃないかと思っています。東京に向けて4年間、これからもっともっと努力をして、今回悔しい思いもしたので、シングルスでも団体でもリベンジできたらいいなと思っています。
伊藤選手 2020年東京でやるということが決まって。その前にリオオリンピックに出場したいという気持ちがすごくあって。その後には東京オリンピックで個人戦と団体戦に出場して、そこでしっかり金メダルを取りたいというのが私の目標なので、まずはリオオリンピックの舞台でメダルを取れたことが第一歩かなと思います。
――いま食べたいもの、会いたい人、最後に自分へのご褒美は何か教えてください。
石川選手 食べたいものは私と福原さんはお寿司です。会いたい人は応援してくれた、たくさんの方に会えるだけ会いたいなと思います。(ご褒美は)目覚ましをかけずに、寝れるところまで寝たいです。
福原選手 私も佳純ちゃんと同じでお寿司です。お寿司が食べたいです。今回メダルを獲得するにあたって仙台で合宿したり、被災地の子どもたちともメダルを取って帰ってくると約束したので、被災地のみんなに、東北のみんなに会いに行きたいのと、オリンピック前に奄美大島の宇検村で練習をさせていただいたので、宇検村に行きたいです。
伊藤選手 私はお肉が大好きなので、帰ったらお肉をがつがつ食べたいなと思います。会いたい人は静岡の地元の応援してくださった方だったり、オリンピック前に練習をたくさんしてくださった選手の皆さんやトレーナーの皆さんに会って、メダルを見せてあげたいなと思います。
――試合がすべて終わって、ほかの2人の選手に対していま伝えたいこと、感謝などを聞かせてください。
石川選手 団体戦で一緒にこうして3人で戦うことができて、私自身すごく幸せですし、最高のプレー、特に一番最後の3位決定戦はみんなで力を合わせて3人とも最高のプレーができたので、チームメイトに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
福原選手 オリンピックの出場が決まってから3人でずっと合宿を、たくさんの皆さんの協力のもと重ねてきて、こうして今回3人で団体を組むことができて、本当に最高のチームメイトに恵まれて私はとても幸せだなと思っています。
伊藤選手 石川さん、福原さん、先輩方2人は本当に心強い先輩でしたし、私が負けて少し落ち込んでいるときに「大丈夫、次がある」というふうにすぐ慰めてくださったり、本当に私にとって心強い先輩だったと思います。
――石川選手に伺います。シングルスではショックな負けで、すごく落ち込んだと思うのですが、落ち込んだ後にどうやって立て直したのか、どういった形で団体戦に臨んだのか、支えになった言葉などあれば聞かせてください。
石川選手 シングルスで負けてしまってすごく残念で、自分自身もすごく落ち込んだんですけど、ほかのアスリートの方にも声をかけてもらいましたし、(日本選手の支援施設である)ハイパフォーマンスセンターから選手村に行くまでのバスで、たまたま隣の席に吉田(沙保里)さんに座っていただいて、オリンピックの難しさだったり、何が起こるか分からないというそういう大変さを、あれだけチャンピオンになっていても感じているんだなというのを、シングルスが終わった後にちょうどお話することができて、自分自身気持ちも切り替えられましたし、お話できたことがすごく大きかったなと思っています。
――福原選手に2点お伺いします。ビクトリーセレモニーのときに中国人の観客の方が「愛ちゃん、愛ちゃん」と言っていて、その方とお話をしたら、福原さんのことがすごく好きだということでした。それから選手村のトイレを直されたと聞きましたが、その点について具体的に教えてください。
福原選手 中国の方は、本当にずっと昔から変わらずどんなときでも応援してくださっていますし、今回もそうなんですけれど、中国の国旗を持っているにもかかわらず日本の応援をしてくださったり、いつもとても温かく応援してくださっています。選手村のお手洗いは到着してすぐだったんですけれど、壊れてしまったので直しました。一人暮らしを日本ではしているので、もし何か壊れてしまったら自分で対応することが多いんですけれども、選手村のお手洗いが壊れてしまって、お部屋にそのときはコーチもいて4人で泊まっていたので、4人で一つのお手洗いしかなかったので、これは直さないと大変なことになるなと思ったので、タンクを開けて、中の構造を調べて、原因を突き止めて、どういうふうになっているのか、何でこういうふうになっているんだろうというのを考えて直しました。
――ライバルでもあって仲間でもある3人。それぞれどんなところが身近で見ていてすごいなと思ったのか。人間として尊敬しているところなど、リオ入り後の印象的なエピソードなどあれば教えてください。
石川選手 選手村でもずっと一緒に生活していたので、日に日に団結力も高まっていきました。2人と一緒に団体戦を戦って、試合ですごく心強いですし、2人だったら勝ってくれるんじゃないかとずっと信じているので、私も自信を持って戦うことができましたし、全力で自分が点数を取れば必ずチームが勝てると信じて試合もできたので自分自身もいいプレーができたんじゃないかと思います。福原さんは今回キャプテンとしてみんなをまとめてくれたり、声をかけてくれたり、気にかけてくれたりして、チームとしてすごく団結力が高まったと思いますし、そういうふうに人を気にかけたりできるのは、すごいなと思いました。美誠ちゃんは15歳でオリンピックに出場して、これだけ強気のプレーが最初からできるというのは本当に難しいことなので、すごいなと思いましたし、最後は決勝点も決めてくれたのですごく頼りになるなと思いました。
福原選手 佳純ちゃんは普段から本当にすごく頑張っていますし、一緒に味の素トレーニングセンターで練習をしているので、普段からどれだけ努力しているかというのをずっと身近で、いちライバルとしてもずっと見てきたので、佳純ちゃんがシングルスで負けた後は私も本当に悔しかったですし、その分団体戦を頑張るという佳純ちゃんの気持ちも手に取るように分かったので、あの後に気持ちをすぐに切り替えて、今回の団体戦で絶対に2点を取ってくれるという絶対的な信頼のなかで戦って、本当に精神面が強いなとあらためて思いました。美誠は先ほど佳純ちゃんが言ったようにまだ15歳なんですけど、普段から15歳とは思えないようなプレーであったりとか、自分が15歳のときと比べてみると私は本当に幼かったなとすごく思います。
伊藤選手 福原さんはキャプテンとして私をすごい引っ張ってくださって、話をしてくれたりとか気にかけてくれて、本当にキャプテンとして先輩として、私もこういう先輩になりたいなと思いました。石川さんは本当に心が強いというか、精神的な部分でも強いですし、しっかり(勝ちを)取ってくれるというところがあって、私も4番で勝ったんですけど、5番に石川さんがいるから思い切ってできたという部分があるので、そういうところをしっかり見習っていきたいと思います。
――福原選手に伺います。伊藤選手が試合しているときに、ものすごく手をたたいて、今までにないくらい強く、痛いんじゃないかなというくらいでした。どういう気持ちでやっていたのでしょうか。伊藤選手は、福原選手が拍手しているのは聞こえていたり、どんなことを感じていましたか。
福原選手 ドイツ戦のときに佳純ちゃんがものすごく応援してくれて、イエローカードになって退場になってしまったんですけど、私に本当にたくさんのパワーをくれたので、私もそれくらいの、それ以上の気持ちで絶対に応援しないといけないと思っていました。でも声を出してしまうと退場になってしまうと分かったので(笑)、拍手で応援するしかないと思って、拍手にありったけの気持ちを込めていました。
伊藤選手 拍手の音はすごい聞こえていましたし、頑張りよーとか、そういう声もたくさん聞こえて、やっぱり自分がその場で戦っていたので、皆さんのためにしっかり勝とうという思いでやっていました。
――昨日はそれぞれのお母様方がスタンドで応援されていましたが、お母様に対してどのようなお気持ちなのか。特に福原選手と伊藤選手は物心つく前から厳しいトレーニングを受けられていましたが、その辺についてお聞かせください。
福原選手 ずっとこの4大会、応援に現地まで毎回来てくれているんですけれど、今回もすごく遠かったので大丈夫だよと一応話したんですけれど、日本の食材を持って応援に来てくれて、毎日おにぎりとかそうめんとか野菜炒めとか、そういったものを作って持ってきてくれて、食事の面でもサポートしてくれましたし、精神的にもすごく大きなサポートをしてくれました。
伊藤選手 私はお母さんもそうなんですけれど、おじいちゃんおばあちゃんも応援に来てくれて。本当に遠いのに日本選手のために来てくれてすごくうれしいですし、すごく心強くて。おじいちゃんおばあちゃんはお寿司屋さんをやっているので、お寿司を小さいころから作ってくれたりとか。お母さんも小さいころから熱心に練習を教えてくれて、やっぱりメダルを取れて、恩返しができたかなと思いますし、メダルを取る瞬間を生で見てくれて良かったなと思います。
石川選手 ロンドン、リオと現地に応援に来てくれて、すごくやっぱり心強いし、普段から練習も一緒に見てくれていて、やっぱり現地に来て応援してくれたっていうのはすごく心強かったです。
会見動画
関連リンク
CATEGORIES & TAGS