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2016.08.16 オリンピック

【メダリスト会見】体操の白井健三選手「壁を乗り越えられた気がする」

【メダリスト会見】体操の白井健三選手「壁を乗り越えられた気がする」
団体の金に続き、種目別では銅メダルを獲得した白井選手

 リオデジャネイロオリンピックの体操男子種目別跳馬で銅メダルを獲得した白井健三選手が16日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

――一晩明けての率直な気持ちをお願いします。

白井選手 昨日の跳馬がオリンピックを通して最後の競技だったので、自分の中でも後悔がないように思い切って演技しようと決めてやって、あまり結果は気にせずにやったので、とにかく気持ちよくできたことが最後、悔いが残らなかったことが良かったかなと思います。

――一晩明けて朝、目を覚ましていかがでしたか?

白井選手 ちょっと朝が早かったので、そんなに優れた気分で起きれなかったんですけど、昨日悔いなく終われたので今日はすっきり起きられたと思います。

――団体でとった金と個人でとった銅、この重みとか印象というのは一夜明けてどうでしょうか?

白井選手 やはり団体で取った方が間違いなく自分の中ではうれしいですし、こうやって1人で記者会見に来てみると5人でいる方が面白かったなと思うんですけど、自分の中の課題としていた「ユルチェンコ3回半捻り」を成功させてのメダルだったので、何かこう違う壁を乗り越えられた気がするというか、違う面でうれしさがこみ上げています。でも団体の方がやはりうれしいはうれしいです。

――跳馬の試合前あるいは前日までに内村(航平)選手またはほかの選手からアドバイスや何か会話というのはありましたか?

白井選手 ゆかが終わった後のミックスゾーンのインタビューで(内村)航平さんが「健三がメダルをとれなかったのは自分のように悔しい」と言ってくれて、僕はもう航平さんに悔しい思いをさせたくないと思いましたし、当日も「昨日の分までしっかりやってこいよ」と航平さんに言われたので、もう自分の中で満足すればいいかなと思ったので思い切ってやりました。

――跳馬の際は悔いなく思い切りやるという心境だったのでしょうけど、ゆか運動の時の心境との違いというのは自分としてはどう分析されていますか?

白井選手 ゆかは自分の内容より何点を取ればいいとか。試技順も7番で遅かったので、何点取れば大丈夫とか、そういう点数や結果を考えてしまったので演技が軽くなってしまったというか、中身が空っぽな演技をしてしまった感じだったので。とにかく跳馬は思い出に残るような演技をしようと思って。元々そんなにいい順位を取ったことのない種目でしたし、挑戦者の気持ちで臨むつもりだったので自分が満足できればいいかなと思ってやりました。

――昨日の試合後も今大会を通して内村選手の個人総合のインパクトがすごい大きかったという話をしていて、追いかけたいとのことだったんですけど、一方で内村選手は「東京オリンピックの時に自分がトップに立っているようだったら日本の体操界の未来はない」ということをおっしゃっていて、そういった言葉だとか、初めてのオリンピックを経験して4年後に向けての決意をあらためて聞きたいと思います。

白井選手 航平さんにずっと頼ってきてしまっている現状は、いつかは打破しないといけないと思っていますし、航平さんがずっと引っ張ってくれる現状なので、やはりいい見本が合宿等でも一番近くにいるということをしっかりと生かして、今後僕たちが日本を引っ張っていかなければならないと思っています。航平さんも19歳で初めてオリンピックを経験してそこからオールラウンダーとしてどんどん飛躍していったので、やはり1回オリンピックを経験することで何かオールラウンダーとしてつかめるものがあるのではないかなと思うので。帰国してからしっかり自分の体操を見つめ直して、何か分からないことがあったら航平さんに聞いて、少しでも近づけるようにしていきたいなと思います。

――最初の団体を終わった後なども、次は6種目やりたい、オールラウンダーを目指したいとおっしゃっていました。今ゆかや跳馬のスペシャリストとして知られる白井選手が、オールラウンダーへの思いを強くしたのは何がきっかけで、どうしていきたいのか教えてください。

白井選手 元々代表入りがゆかで、スペシャリストと呼ばれるようになったんですけれど、日本人はほとんど全員がオールラウンダーとして活躍すること、6種目できることが体操選手だと小さいころから思っているので、僕は別に自分がスペシャリストという役割を担えているのかどうかも定かではないですし、周りが失敗したとはいえ、今年も日本選手権(の個人総合)で2番になっているので、そこまでオールラウンダーとしての力が欠如しているとも思っていません。今のところオールラウンダーとしての力が順調に付いていると思いますし、ここから何か特別変えていかなければいけないものもないと思うので、今のペースで自分のペースを乱さずにゆっくりとやっていきたいと思います。

――4年間頑張った自分へのご褒美があるとしたら? 2つメダルを取ったので金メダル級と、銅メダル級のご褒美をお願いします。

白井選手 あまり普段、物欲がないタイプなので、欲しいものとかもないですし。試合が終わったら買ってあげようと思うものもないのですが、24日が20歳の誕生日になるので、ちょっと大人らしいことをしたいかなと思っています。

――どんなことですか?

白井選手 大人らしいことって、逆にお尋ねするとどんなことですか?(笑)

――いろいろと法律でも解禁になるものがあると思いますが?

白井選手 そうですよね。法律上のものがいろいろと解禁されるので、そういったこともちょっと大人らしいこととして楽しもうかなと思っていますけれど、やっぱり一学生として、やるべきことがたくさんあるので、オリンピック中も授業を抜けさせてもらってオリンピックに来たりもしているので、そういった課題もたくさんあるので、まず学生らしいことを大事にやろうかなと思っています。

――白井選手は19歳で世界に羽ばたきました。日本の19歳へメッセージをお願いします。

白井選手 僕は10代でオリンピックを経験できたのはすごく幸せなことだなと思っていますし、こういった大きな経験ができる10代はそう多くないと思うので、すごく応援してくれた人に感謝したいと思います。やっぱり昨日の跳馬で、強い意志を持って行動することが大事なんだなと思ったので、どんなに厳しい状況であっても、とりあえずやってみること。僕の昨日の跳馬の1本目のように、とりあえず失敗を覚悟でやってみることが、成功に結びつくんだなと。昨日の跳馬で確信したので、僕もそうですけれどこれからは強い行動力を持って行動してほしいなと思います。

――一昨日のゆかのときに、ブラジルの選手が上位に残っていて、最後のアメリカの選手の演技のときに、観客の中で声が出たり、それに対して「しー」という声があったりしました。次は東京で行われるということで、観客の心構えもホスト国には求められてくると思いますが、今回のオリンピックを経験して、東京に向けてどういった受け入れ体制を作っていったらいいのか。選手の目線から教えていただけますか。

白井選手 僕はオリンピックが初めてだったんですけど、ほかのメンバーはオリンピックが2回目、3回目で初めてではなくて。ロンドンの時よりは静かだと言っていたので、僕は相当盛り上がっているように感じたんですけど、やっぱりオリンピックってそういうものなんだなって思いましたし、まあ日本人の国民性を考えるとああいうことは絶対にないと思うので、何も心配していないです。逆にちょっと静か過ぎるのではないかと心配しているので、すごく一技、一技で盛り上がってほしいと思いますし、やはりスポーツの祭典なので、そこは日本人の優しさ、おとなしさは少し捨ててもらって、少しハメを外して盛り上がってほしいなと思います。きれいに盛り上がってほしいなと思います。

――昨日は新技を成功させての銅メダルということで、試合後に畠田(好章)コーチもいらっしゃいますけど、畠田コーチや内村選手に声を掛けられたと思います。特にうれしかった言葉や印象に残っている言葉があれば教えてください。

白井選手 みんながみんな、自分を含めてですけれどビックリしたというのが率直な感想で、あまり跳躍自体に関するアドバイスがなかったんですよね。それぐらい、練習でも成功していなかった技だったので。成功はしていたんですけれどラインを超えていたりとか。あまり質が高くない技だったので、とにかくラインの中におさまった実試ができただけで、たぶんほとんどの体操選手がびっくりしていたので。あまりインパクトが残っている言葉とかはないんですけれど、自分的にもあの跳躍自体が一番の驚きですね。

――今食べたいものと会いたい人をお願いします。

白井選手 なんですかね(笑)。けっこう自分で料理したりもするので、自分でそのとき食べたいと思ったものを料理したいという感想が食に関しては一番強いですかね。一番会いたい人と言えば、両親にメダルを掛けさせてあげたいというのが一番最初の感想ですけれど、両親はここに応援に来てくれているので、応援に来られなかった同期や部活の仲間、日体大の仲間にもすごく会いたいですし。帰ったらインカレもあるので、今度は応援する側になるのでそっちをしっかりと応援したいなと思っています。

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