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2016.08.13 オリンピック

【リオ・リポート】崖っぷちからの大逆転! 錦織選手96年ぶりメダル王手

【リオ・リポート】崖っぷちからの大逆転! 錦織選手96年ぶりメダル王手
勝った瞬間、錦織選手は感極まって顔を手で覆った(写真:アフロスポーツ)

 リオデジャネイロオリンピックの大会8日目。テニスの世界ランキング7位で第4シードの錦織圭選手が男子シングルスの準々決勝に臨み、同11位で第6シードのガエル・モンフィス選手(フランス)に7-6(7-4)、4-6、7―6(8-6)のセットカウント2-1で勝利。オリンピックのテニスのシングルスで日本人選手がベスト4に進出するのは、1920年アントワープオリンピックで銀メダルを獲得した熊谷一弥さん以来96年ぶりとなります。錦織選手は同じく96年ぶりとなるメダルを目指し、現地時間の13日正午、世界ランキング2位のアンディ・マレー選手(イギリス)と対戦します。

■3本のマッチポイントを握られ絶体絶命

「一瞬、やっぱり信じられなかったですね」

 モンフィス選手のバックハンドがベースラインを大きく越えた瞬間、錦織選手は両手で顔を覆い大逆転勝利に体を震わせました。2時間53分の大熱戦。「ファイナルもずっと劣勢だったので」と錦織選手が振り返ったとおり、第3セットの流れは終始モンフィス選手。錦織選手もブレークポイントを何度も握られながらも耐えしのぎましたが、タイブレークはいきなり4ポイントを連取され、3-6と3本のマッチポイントを握られる絶体絶命のピンチに追い込まれました。しかし、ここからの粘りが錦織選手の真骨頂です。

「なるべく1ポイントずつプレーして、モンフィスのメンタル的にも落ちる場面というか、集中力が下がる場面も絶対にあると信じていました。最後の数ポイントはすごくいい形で取れましたね」

 自身のサービスで冷静にポイントを2つ返し5-6とすると、ここでモンフィス選手のサーブがダブルフォールトに。このポイントで試合を決めるべく勝負に出たセカンドサーブがネットにかかり6-6となったところで、ゲームの流れが大きく錦織選手に傾きました。そしてこのチャンスを絶対に逃さないとばかりに、相手のバックを抜くパッシングショットで7-6、最後は攻め込まれたモンフィス選手のバックハンドがアウトとなり、錦織選手が大逆転勝利で準決勝進出を決めたのでした。

 試合が決まった瞬間、観客は総立ちのスタンディングオベーション。日本のファンはもちろん、フランス国旗を持った人、地元ブラジル人、会場にいたすべての人が錦織選手に、そして勝利まで本当にあと一歩だったモンフィス選手に、大きな声援と拍手を送っていました。

【リオ・リポート】崖っぷちからの大逆転! 錦織選手96年ぶりメダル王手
準決勝の相手はロンドン金のマレー、錦織選手は96年ぶりメダルを確定させるか(写真:アフロスポーツ)

■準決勝の相手はロンドン金のマレー選手

「きわどい場面もたくさんありながら逆転勝利できたのはすごく嬉しかったですね」と、ミックスゾーンで安堵の笑顔を浮かべた錦織選手。この試合、ここまで追い込まれた原因はモンフィス選手のプレーそのものが良かったこともありますが、錦織選手のファーストサーブの確率の低さでした。3セットのトータルでも50%。「サーブがやっぱり今日は苦労しましたね。特にそれがファイナルを苦労した要因です」。ここを修正しなければマレー選手には勝てない、とも錦織選手は口元を引き締めました。ロンドンオリンピック金メダリストでもあるマレー選手との対戦成績は通算1勝6敗です。

「メダルを目指すのはもちろん目標ではありますけど、とりあえず負け続けているマレーなので、そこに集中してしっかりプレーしたいと思います。ディフェンスがすごくいい選手なので、なるべく自分も守りに行き過ぎずに自分のテニスを心がけて、もちろん攻撃的にプレーしないと勝てない選手ですから」

 前回ロンドン大会のベスト8を塗り替え、4年の成長の跡をしっかり示した錦織選手。96年ぶりのメダルへ、歴史の扉を開くときがいよいよやって来ます。

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