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2016.08.09 オリンピック

【リオ・リポート】磐石の体操王国ニッポンへ、内村選手が語った団体金メダルの意味

【リオ・リポート】磐石の体操王国ニッポンへ、内村選手が語った団体金メダルの意味
体操の男子日本代表がアテネ大会以来3大会ぶりの団体金メダルを獲得(写真:アフロスポーツ)

■多少のことでは折れない“強さ”

 リオデジャネイロオリンピックの大会4日目、体操競技の男子団体総合決勝が行われ、日本(内村航平選手、山室光史選手、加藤凌平選手、田中佑典選手、白井健三選手)が2004年アテネ大会以来、3大会ぶりの金メダルを獲得しました。

「最後は安心して大型ビジョンを見ていられるくらい圧勝でした」

 表彰式後、ゆかと跳馬で高得点をマークした白井選手がそう振り返ったように、2位ロシアとの差は2.641点(日本274.094点、ロシア271.453点)。2日前の予選では、らしくないミスを連発しまさかの4位発進でしたが、「予選が1位通過じゃなくても、日本の体操はしっかり評価されるし、団体で金を絶対的に獲れるチームだということを証明できたと思います」と内村選手。今の体操男子日本には、“美しい演技”だけではない、多少のことでは折れない“強さ”が備わっていました。

【リオ・リポート】磐石の体操王国ニッポンへ、内村選手が語った団体金メダルの意味
「新しい歴史を作った」と内村選手(写真:アフロスポーツ)

■団体が金メダルが体操の普及につながる

「アテネは超えられないです。でも僕たちは新しい歴史を作ることができた」(内村選手)

“栄光の架け橋”として人々の記憶に残るアテネオリンピックの男子体操の団体金メダル。内村選手もそれに憧れて、オリンピックでの団体金メダル獲得の夢を常に公言してきました。08年北京、12年ロンドンと惜しくも届かず、3度目の正直で手にした念願の団体金メダル。「実際のところ、本当にオリンピックの金メダルなのかな」とまだ実感がわかない一方で、「個人とは全然違いますね。仲間と獲る金メダルというのは。うれしいを超えちゃってます」と大きな笑顔を見せました。

 そして、内村選手がオリンピックでの個人総合よりも団体金メダルにこだわっていたのは、単純に自身が持っていないタイトルだから、憧れだから……というだけではありません。海外メディアも多く集まった共同記者会見で、胸のうちをこう明かしました。

「団体の金メダルを獲る意味について、僕は日本の体操というのはまだまだ、国内でもあまり知られていないと思っています。やはり、オリンピックの団体で金メダルを獲ることによって、僕や(白井)健三だけではなく、ほかの選手たちの名前も一気に全国に広まり、それが体操の普及につながると思っています」

 また、「アテネは超えられないけど、僕たちは新しい歴史を作ることができた」と語ったあとには、続けて「これは確実に2020年の東京オリンピックにつながる大会だったと思います」とも話していました。

■「東京でも必ず日本が金メダルを獲ると信じている」

 内村選手が目指しているのは、単に団体金メダルを獲ることではなく、2020年東京オリンピックはもちろん、そのずっと先の将来まで、体操ニッポンが磐石の王者であり続け、多くの国民に親しまれる真の意味でのメジャースポーツにまで体操を押し上げることなのでしょう。そのためには、内村選手が言うように競技人口の拡大は必須であり、それの大きなきっかけとなるのが、オリンピックの団体金メダルだったのです。

「次のオリンピックは2020年に東京で開催されるので、必ず日本がまた団体の金メダルを獲れると信じています」(内村選手)

 かつて内村少年が憧れたように、きっとリオの体操男子の雄姿を見てオリンピックを志す子供たちは多いことでしょう。アテネからリオ、そして東京、そのまた未来へ――内村選手が願う体操王国ニッポンを支える若い力が今後、どんどん出てくることを願って。

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