ロンドンオリンピックのレスリング女子フリースタイル55キロ級でアテネ、北京大会に続く3連覇を達成した吉田沙保里選手が10日、オリンピックパーク内のメーンプレスセンターで会見を行い、メダル獲得後の心境を語りました。
――今の心境は?
吉田選手 たくさんの方に応援をいただいてこの金メダルがあるので、本当に日本のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。そして3連覇できたことを本当に幸せに思っていますし、この金メダルを取るためにずっとやってきて、このロンドンオリンピックではここに来るまで悩んで、どん底まで落ちたのですが、自分が得意とするタックルがなかなか練習でもうまくいかず、格下のパートナーにもペースを握られたり、毎日悩んでいました。本当に昨日の試合では、自分の強い気持ちを持って今までできたことを信じて戦った結果、金メダルを取れたので今はそれしかいうことがありません。
コーチからは負けてからこの3カ月の間にたくさんのことをアドバイスしていただいたり、タックルについていろいろ教えていただいたりして、そういったことも試合で出せたのでそれも勝因の一つだと思います。今は本当に1日たってホッとしています。
――昨日から今日までどう過ごして、どのようなことを考えましたか。
吉田選手 今の気持ちはホッとしているというのが一番大きいです。メダルを首にかけてもらった時は、すごく幸せでした。この3連覇を夢見て、ずっと走ってきたのでホッとしてる、ちょっとゆっくりしたいという気持ちが大きいです。
(どう過ごしたかは)試合が終わってすぐ(テレビ)各局を回らせていただいて日本のみなさんにお礼の言葉も言えました。選手村に帰ったのが1時半か、2時ぐらいだったのですが、それから興奮して1時間ぐらい寝られなかったのですが、携帯(電話)を握りながらいつのまにか寝ていて4時間ぐらい寝ました。でも睡眠時間がなくても元気です(笑)
――一番最初にメダル獲得の報告を、誰にしましたか。
吉田選手 報告というか、ブログのコメントを読ませていただいたり、メールなどがたくさん入ってきたりして、それを読むのに必死でした。報告というのはまだ誰にもしてないです。
――3度目の金メダルと過去の2回との違いを教えてください。
吉田選手 今回はアテネや北京と違って、本当に寝られなくて、自分が不調ですごく悩んでうまくいかない日々が続いたので、不安で不安でしょうがなかったです。このロンドンオリンピックの試合が始まるまでは「負けるかも……」という弱気な自分がいて、今までそういうことはなくて絶対勝つという強い気持ちでいられたというのが違いますね。
日本のみなさんの期待の大きさというのもありましたし、自分の悩み、どん底まで落ちたってことも大きかったので、それをはねのけて金メダルを取れたのは、それだけ金メダルに重みがあります。
――キーポイントとなった試合はどれですか。その時の勝利のポイントを教えてください。
吉田選手 準決勝のロシアの選手(ワレリア・ジョロボワ選手)です。ワールドカップに負けた相手で、その選手とこのオリンピックで再戦という形になりましたが、倒した瞬間は思わずガッツポーズも出ました。彼女に負けてからいろいろ悩んでどん底に落ちたので、リベンジする時が来たと楽しみでもあり不安でもあったのですが、その中で勝てたというのはうれしかったですし、そこから気持ちもぐっと上がって決勝を迎えることができたのでよかったなと思います。
――サッカー女子の澤(穂希)選手と話はされましたか?
昨日試合が終わってテレビ局回りが終わって、選手村の食堂でちょうど会いました。ふたりともメダルを持ってて、2ショットで写真を撮ったりしました。「本当はこの金メダルがほしかったんだよー」と言ってましたね。だけど「銀メダルでもうれしい」と言っていたので安心しました。一緒にメダルを取ることができてよかったです。オリンピック前もメールをしたりして、オリンピック中も「一緒にがんばろうね」と励まし合ったのでよかったです。
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